海外旅行に行くとき、スマホは必需品。
現地で写真を撮ったり地図アプリを使ったりと活用方法はさまざまです。
ですが、日本と同じように使用していると数万円から数十万円にもおよぶ高額の料金が発生してしまうことも……?!
スマホについてよくわからないまま海外でスマホを使用していると、帰国後に高額の請求がきてしまうケースがあります。
また海外にはスマホの盗難や破損といった危険も潜んでいます。
旅行者を狙ったスリがいるため盗難の危険性は日本よりも高いです。
これらの事態を避けるために、海外でスマホを使う際に気をつけるべきことを具体的に紹介します。
海外旅行に行く前に必ずチェックしてみてください。
海外でスマホをつかって料金がかかるのはどんな時?
はじめに、海外でスマホを使ってお金がかかってしまうケースを見てみましょう。
日本で定額のパケットプランに加入しているからといって油断は禁物。
海外では日本のパケットプランが適用されないことが多いのです。
どのような時に料金が発生するのか確認し、余計な料金が発生しないように気をつけましょう。
海外で料金が発生するケース
では、実際に海外で料金が発生するケースを見ていきます。
電話の発信・着信
携帯電話を使った発信と着信にはそれぞれ通話料と着信料がかかります。
海外から日本の携帯を使って電話をかけると通話料が発生します。
渡航先で同じ国にいる同行者に電話をした場合でも、国際発信が必要になり料金が発生するので注意が必要です。
料金は携帯電話会社により違いはありますが「日本へかけた場合」「滞在している国にかけた場合」「それ以外の国にかけた場合」によってそれぞれ発信料が異なることが多いです。
滞在している国や機種、契約内容によっても料金が変わってきます。発信料は携帯電話会社のホームページや直接の問い合わせで確認できます。
また、海外で着信を受けた場合、着信を受けた側(自分)にも着信料がかかるので注意しましょう。
インターネット
海外パケット定額やフリーWi-Fiを使わずに渡航先でインターネットに接続してしまうと高額の請求がくる恐れがあります。
これにはスマホの「データローミング」という機能が関係しています。
日本で携帯を使う際、私たちは自分が契約している携帯電話会社の基地局が発する電波を使うことでインターネットに接続しています。
しかし海外には日本の携帯電話会社の電波がありません。
この時役に立つのが「データローミング」です。
データローミング機能がオンになっていると、日本の会社が提携している現地通信会社の電波を使うことができます。
そのため、海外でも日本と同じようにインターネットに接続することができるのです。
ですが、海外での通信料は国内の定額パケット料金が適用されないことがほとんど。さらに、利用料金は割高なことが多いです。
そのため海外でデータローミング機能を使用してしまうと料金が請求される仕組みになっているのです。
ちなみに3大キャリアだと1日3,000円ほどなので、4泊5日の旅行で15,000円が追加でかかって来たりする可能性があります(使い方によっては、もっと請求されることもあります)。
SMS
海外でもSMSを利用することはできますが、海外パケット定額等に加入していない場合は送信料がかかります。
送信料はSMS1通につき何円、と決められています。
本文は「半角160文字まで」のように送信可能文字数が限られているため、送信する際は事前に確認しましょう。
SMSを相手から受信する場合は無料であることが多いです。
海外でスマホの高額請求を回避するための方法
海外でインターネットに接続すると、高額の請求が来る恐れがあることがわかりました。
また、電話は発信だけでなく着信にもお金がかかります。
これだけ聞くと「海外で携帯を利用するのは怖い……」と思うかもしれません。
ですがスマホの機能を理解して設定をしっかり行っておけば、海外でも安心してスマホを使うことができるのでご安心を!
高額請求を避けるための方法をいくつかご紹介します。
モバイルデータ通信とデータローミングをオフにする
海外ではモバイルデータ通信とデータローミングをオフに設定し、データローミングが行われないようにしましょう。
モバイルデータ通信等をオフにすることで現地キャリアの電波を勝手に拾う心配がなくなり、高額請求を防ぐことができます。
これらの設定をオフにしてもWi-Fiは利用できるので、飛行機に乗る前にぜひ設定しておきましょう。
モバイルデータ通信・データローミングをオフにするとデータ通信はできなくなりますが、音声通話やWi-Fiの使用は可能です。
モバイルデータ通信・データローミングをオフにする設定方法は次の通りです。OSや機種により設定方法が異なる場合があります。
- iPhoneの場合
「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」→「通信のオプション」→「データローミング」をオフに設定。
「モバイルデータ通信」まで戻り、モバイルデータ通信をオフに設定。 - Androidの場合
「設定」→「接続」→「モバイルネットワーク」→「モバイルネットワーク」および「データローミング」をオフに設定。
機内モードをオンにする
海外では機内モードをオンにしましょう。
機内モードにすると電話やメール、インターネットといった全ての通信機能が使用できなくなります。機内モードに設定してもWi-Fiは使用することができます。
機内モードに設定すると先ほどご紹介したモバイルデータ通信やデータローミングもオフの状態になります。
「それならモバイルデータ通信やデータローミングをオフに設定する必要はないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、機内モードはボタンひとつで簡単にオフできる設定になっているスマホが多いです。それは裏を返せば簡単にオンになってしまうということ。
モバイルデータ通信とデータローミングをオフにせずに機内モードをオンにして気づかぬうちに機内モードがオンになってしまった場合、意図せずデータ通信が行われてしまうケースがあります。
「知らないうちに機内モードが解除されてデータ通信が行われていた…」という事態にならないために、モバイルデータ通信等の設定は機内モードをオンにする前に行っておきましょう。
モバイルデータ通信とデータローミングをオフにした上で機内モードに設定することで、より安心して海外でスマホを使用することができます。
機内モードの設定方法の一例は次の通りです。
- iPhoneの場合
「設定」→「機内モード」をオンに設定。
または「画面を上にスワイプ」→「左上の飛行機のマークをタップ」でも機内モードに設定できます。 - Androidの場合
「設定」→ネットワーク設定の項目にある「機内モード」をオンに設定。
機種によってはiPhoneと同じく「画面スワイプ」→「飛行機のマークをタップ」で機内モードに設定できるものもあります。
アプリの自動ダウンロード設定をオフにする
アプリの自動更新がオンになっていると、自分では操作していなくても自動でアップデートされてしまうことがあります。
アプリのアップデートは大量のデータを消費してしまうため、海外旅行中はアプリの自動ダウンロード設定をオフにしておきましょう。
アプリの自動ダウンロードをオフにする設定方法の一例は次の通りです。
- iPhoneの場合
「設定」→「iTunes&AppSotre」→「自動ダウンロード」の項目を全てオフに設定。 - Androidの場合
「Playストア」を開く→メニューボタンをクリック→「設定」→「アプリの自動更新」→「アプリを自動更新しない」を選択。
携帯電話会社の海外パケット定額プランに加入する
国内のパケット定額が適用されない海外で便利なのが、携帯電話会社の海外パケット定額プランに加入することです。
NTTドコモ、au、ソフトバンクの大手携帯電話会社三社では海外でデータローミングを使用できるプランを用意しています。
データ無制限のプランや利用時間に応じて料金が決まるプランなど、旅行のスタイルに合わせてプランを選択することができます。
事前の申し込みが不要なプランもあり、手軽さが魅力です。
海外パケット定額プランを利用する際、携帯電話会社によってはデータローミングをオンにするように指示がある場合があります。
その際は携帯電話会社の指示に従い、設定を行ってください。
とはいえ、かなり高額なので、もっと安く済んで便利にスマホを使う方法を紹介します。
海外でスマホを安く&便利に使う方法
海外でインターネットに接続する方法はいくつかあります。
候補となるのがフリーWi-Fi・海外用レンタルWi-Fi・SIMカードを購入の3パターンです。
フリーWi-Fi
空港、ホテル、駅、レストラン、カフェなどの施設でフリーWi-Fiが飛んでいればそのWi-Fiを使用してインターネットに接続できます。
場所によってはパスワードや登録が必要です。無料で使えるため便利ですが、Wi-Fiが使えるエリアが限られたり通信速度が遅かったりするデメリットがあります。
海外用レンタルWi-Fi
日本で海外用のレンタルWi-Fiをレンタルすれば、渡航先で好きな時にWi-Fiを使うことができます。
複数人が同時に使うこともできるため、大勢で使う場合は海外パケット定額に一人ずつ加入するよりも割安です。
ただ受け取りや返却の手間がかかる、データ通信量に制限がある、全員がレンタルWi-Fiの近くにいないとインターネットに接続できないといったデメリットもあります。
オススメの海外レンタルWiFiについては以下の記事でまとめています。

SIMカードを購入
現地でSIMカードを購入すればどこでもインターネットに接続することができます。
SIMカードによっては、電話番号は変わりますが電話の利用が可能なことも。
SIMフリーでないスマホを使用している場合、SIMロック解除という設定をしなければSIMカードは使用できません。
SIMロック解除は携帯電話会社のショップに持って行ったり、スマホやパソコンで手続きしたりすることで解除できます。
渡航先によっては数百円代〜3000円程度で手に入ることもあるため、海外用レンタルWi-Fiを借りたり海外パケット定額に加入したりするよりもお得にインターネットを利用できます。
日本で使用しているSIMカードは帰国後に使用することになるので大切に保管しておきましょう。
より詳しくは、海外SIMを使う方法〜選び方までまとめをご覧ください。

スリや盗難、破損も!海外でスマホを守るための方法と対策とは
スマホは高額転売できるためスリや盗難にあいやすく、海外で被害にあう旅行者があとを絶ちません。
また、不注意で破損してしまうことが多いものでもあります。
海外で起こりうるスマホの被害とその対策を見てみましょう。
スマホはスリや盗難の標的になりやすい
パスポートや財布と並んでスリや盗難被害にあいやすいのがスマホです。スマホは高額で転売したり部品を売ったりできる商品なので、スリは観光客のスマホを常に狙っています。
「ポケットに入れておいたらいつの間にか失くなっていた」
「トイレに置き忘れたことに気づき、戻った時にはすでに盗られていた」
「電車から降りたらスマホが失く、駅か電車ですられていたことに気づいた」
などなど、海外でのスリや盗難の体験談は後を絶ちません。
スリや盗難からスマホを守るには
スマホをスリや盗難から守るためには、スリに隙を見せないことが大切です。
大切なスマホを守るためのポイントを頭に入れて置きましょう。
スマホを見えるところや盗みやすいところに入れない
スマホをカバンの浅いところや外ポケット、ズボンの尻ポケットといった目につきやすいところに入れておくと簡単に盗まれます。
紐やチェーンをつけていたとしても、スリはそれらを切ってスマホを盗みます。
カバンやコートの内ポケットのようなスリの目が届きにくいところにスマホを入れましょう。
混雑した場所では隙を見せない
スリが多いのは混雑した場所です。人気の観光地や電車、駅といったスポットでスリが多発しています。
第三者との距離が近くなってしまう人混みでは、いつも以上にスマホに目を光らせましょう。
リュックやショルダーバッグは体の前で持つ、といった対策も有効です。

旅行客とわかる格好をしない
大きなリュックやスーツケースを持って歩き回っていると、それだけで観光客と一目瞭然。真っ先にスリの対象になってしまいます。
観光地を回る際、大きい荷物はロッカーやホテルに預け、なるべく最小限の荷物で動き回るようにしましょう。
スリや盗難にあってしまったら?
「気をつけていたのにスリにあってしまった」、そんな時は慌てず次の対策をとりましょう。
端末を遠隔ロックする
盗まれた端末の情報は悪用される恐れがあります。
スマホが失くなったことに気づいたら、ただちに「iphoneを探す」や「スマートフォンを探す」というアプリを使ったりスマホに連絡したりして、スマホを遠隔ロックしましょう。
保険会社に連絡する
スマホが盗難にあった場合、保険が適用される可能性があります。
保険会社に連絡して指示をあおぎましょう。
警察に行き盗難届を受理する
保険を使う場合、盗難届が必要になります。
現地の警察に行き、被害を報告して盗難届を入手しましょう。
日本では手に入らないので現地で取得することが重要です。
破損してしまった場合の対策
毎日使うスマホは、それだけ落としたり水没したりする可能性の高いもの。
海外で落として破損してしまうケースも少なくありません。
スマホの破損は条件を満たせば保険の対象となります。
修理代金が補償の対象となるため、破損したらまずは保険会社に相談しましょう。
海外旅行におけるスマホについてのよくある質問
さいごにスマホにまつわるよくある質問をまとめました。
Q1:モバイルデータ通信をオフにしなかった場合、どのくらいの通信費がかかるの?
おおよそ1MB(メガバイト)あたり約1600円〜2000円がかかるのを目安に考えるとよいでしょう。
海外パケット定額を利用せずに海外で通信を行った場合、通信費がかかります。
請求金額は使ったデータ量、携帯電話会社が設定している通信料、利用した海外の通信会社等により変わってきます。
ここで注意すべきなのは「1GB(ギガバイト)」ではなく「1MB(メガバイト)」あたりの金額であるということです。
1GBは1000MBに相当します。ウェブページを開いたり通信が必要なアプリを立ち上げるだけでもデータ通信が必要です。
アプリのダウンロードや動画の視聴はかなりのデータを消費します。
日本にいる感覚でインターネットに接続してしまうと通信料はみるみるうちに膨れ上がってしまうので気をつけましょう。
- 例:1ページあたり0.25MB消費するウェブページを10ページ閲覧した場合
0.25MB×10ページで2.5MB消費。2.5MB×2000円(1MB)=5000円
となり、5000円の料金が発生します。
アプリ立ち上げや画像読み込みがあった場合等はさらに料金が加算されます。
Q2:格安SIMは海外で使えるの?
格安SIMや格安スマホの中にも海外でデータローミング機能が使える機種はありますが、使用できるのは通話に限られることがほとんどです。
海外で提携している通信会社がない場合、データ通信はできません。
インターネットに接続したい場合は現地のWi-Fiを使ったりSIMカードを購入したりするのがおすすめです。
格安SIMはSIMフリーになっているものが多いため、通常よりも簡単にSIMカードを使うことができます。
SIMカードを購入する場合は念のため渡航前にSIMフリーになっているかどうか確認しましょう。
より詳しくは、海外SIMを使う方法〜選び方までまとめをご覧ください。

Q3:高額請求が不安なので、SIMカードを抜けば安心?
SIMカードを抜くとインターネット回線に繋がることがなくなるため、海外で勝手にインターネットに接続されるという心配がゼロになります。
インターネットに接続したい場合はWi-Fiのある環境が必要です。
ただ、SIMカードを紛失するリスクがあります。SIMカードは抜き差しに道具が必要になるうえ、非常に小さいカードです。抜き取ったカードを旅行中ずっと管理しなくてはなりません。
SIMカードには電話番号情報や携帯電話会社の電波に接続するための情報などが記録されているため、紛失すると個人情報が流出してしまう可能性があります。
SIMカードを抜く際は現地SIMカードを購入した時と同じく大切に保管しましょう。
モバイルデータ通信、データローミング、機内モードの設定をしっかり行えば通信が発生することはないため、必ずしもSIMカードを抜く必要はないといえるでしょう。
Q4:海外で通話はできる?
海外で音声通話をしたい場合の通話方法や接続方法は次の通りです。
海外パケット定額に加入していない場合はデータの通信がないようにモバイルデータ通信とデータローミングをオフの設定にしておきましょう。
携帯電話番号を使った音声通話
機内モードに設定していると携帯電話番号を使った通話はできません。
通話をしたい場合は機内モードを解除しましょう。電話料金は携帯電話会社の規定に拠ります。
アプリ同士での音声通話
「LINE」「FaceTime」「Skype」「Facebookメッセンジャー」「カカオトーク」などのアプリ同士での通話が可能です。
海外パケット定額に加入していればWi-Fi環境がなくても無料で通話できます。
実際にラインを使う方法については、海外旅行でラインを使う方法や注意点にまとめています。

アプリから携帯電話番号に発信
LINEの「LINE Out」というサービスを使えばLINEを使用していない人の電話番号にも発信できます。
料金が格安で、電話回線を使わないためWi-Fi環境で利用できるのがメリットです。
国によっては無料で電話をかけられる「LINE Out Free」というサービスも用意されています。
「LINE Out Free」では電話できる回数や時間は限られますが、さっと電話をかけたい時にぴったりのサービスです。
発信しかできない点と、初期設定のままだと非通知設定になるのがデメリット。
ですがデメリットをカバーするだけのメリットがある非常に便利なサービスです。
現地SIMカードを使用
音声通話ができるタイプの現地SIMカードを利用すれば、発信や着信が可能になります。
音声通話ができないタイプも販売されているため、購入時に確認するようにしましょう。
電話番号が日本の携帯電話番号とは変わるため、電話をかけてもらう際は相手に番号を教える必要があります。
より詳しくは、海外SIMを使う方法〜選び方までまとめをご覧ください。
Q5:スマホを充電するには器具が必要?
海外に行く際は「変換プラグ」が必需品です。コンセントの形は国によって異なるため、日本で使っているスマホの充電器を持っていても差せない場合があります。
世界使われているコンセントの形は7種類ほどあるため、いちいち国ごとに買うのは面倒です。よく海外旅行に行く方は、どの国でも使える万能タイプの変換プラグを購入するのをおすすめします。
変換プラグを変形させればどの国のコンセントにも対応できます。
また、基本的に変圧器は不要です。充電する際に使っている電源アダプタを確認すれば、変圧器が必要かどうか分かります。
使用可能電圧が100〜240Vの製品は海外でも変圧器なしで使用できます。使用可能電圧は電源アダプタの側面に「100〜240V」のように表記されています。
iPhoneの純正アダプタには「100〜240V」と記載されているため、海外でもそのまま使用可能ということになります。
Androidの充電アダプタもほとんどが「100〜240V」に対応しています。
まとめ:海外でスマホを使うときは注意点がたくさん!
旅行に欠かせないアイテムであるスマホ。
データ料金が高額になってしまったりスリにあってしまったりすると、せっかくの旅行の思い出が台無しになってしまいます。
旅行を最初から最後まで楽しく過ごすために、海外でスマホを使う際の注意点をぜひ覚えておいてください。